ドボクの小話 第1回『舗装』

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ドボクの小話 第1回 『舗装』

■はじめに・・・
むかし知人に「土木の設計をしている」と話すと、「土木と建築って何が違うの?」ってことをよく聞かれました。

土木設計とは、誰もが一度は触れたり使ったりしたことがある、道路、橋、河川、上下水道などといった、いわゆる”公共工事に係る設計”です。

家から一歩外に出れば、街中は土木で溢れています。

このコラムでは、普段皆さんが何気なく使っているそんな土木を、ちょっとだけ掘り下げてお話させていただきます。

これから土木を目指そうと思っている人、逆に土木にまったく興味のない人にも、少しでもに土木に興味を持っていただければと思います。

第1回目の今回は、道路の舗装、その中でも「表層」についてお話します。


■道路舗装って?

道路舗装は、ミルフィーユケーキのようにアスファルト(表層、基層)や砂利(上層路盤、下層路盤)がいくつもの層が重なって出来ています。

普段私たちの目に見えているのは「表層」です。




■表層って?
表層は、舗装のうち一番上部にあり、人や車が快適に走行するための役割を担っています。

この表層にはいくつかの種類があり、今回はこれをいくつか紹介します。

①密粒度アスファルト

これは一般的に使用されるアスファルトで、街中でよく見られる表層です。


②ポーラスアスファルト

これは、密粒度アスファルトと違って空隙が多いため、雨水を表層下に浸透させることが出来ます。
これにより、自動車走行に対する安全性の向上や騒音低減が図れます。
自動車を運転する人は、走っているときの音の違いに気づくかと思います。

密粒度アスファルト(左)とポーラスアスファルト(右)を拡大したのが下の写真です。

     

③改質アスファルト

上の①、②で話したアスファルトは長期にわたる交通荷重などで、どうしてもひび割れやわだち掘れができてしまいます。

これに比べ、改質アスファルトは耐流動性や磨耗抵抗性に優れた性質を持ちます。

こうした性質から、主に車が停車、右左折することが多い交差点や大型車両の通行が多い道路で使用されます。

写真の白っぽく見えるのが改質アスファルトです。

④コンクリート舗装

アスファルトは原油を材料としているため輸入価格の影響を受けやすく、また、原油資源にも限りがあります。

コンクリート舗装の材料はほとんどが国内で生産されるセメントであるため安定的な供給が可能です。

ただし、初期費用が高価であることなど課題もあり、使われているところは少ないですが、今後増えてくるかもしれません。

ちなみに、2016年現在、全国の舗装された道路は約342,000kmありますが、アスファルト系の舗装が287,000km(84%)、セメント系の舗装が55,000km(16%)となっています(道路統計年報2016 国土交通省 より)。


色々と違いがあるのがわかっていただけましたか?
道路の設計は、設計部が担当していますのでそちらのページもをのぞいてみてください。

今後も身近な土木を”思いつき”で紹介していきます。


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